1. HOME
  2. ブログ
  3. コラム
  4. 【義務化まで30日】製造業・建設業のカスハラ対策|9月中に行うこと

column

コラム

コラム

【義務化まで30日】製造業・建設業のカスハラ対策|9月中に行うこと

カスハラ対策を30日間で進める製造業・建設業の実行プラン

製造業・建設業のカスハラ対策について、「義務化が近づいているのに、まだ準備ができていない」と不安を感じている経営者や総務担当者の方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
2026年10月1日から、カスタマーハラスメントを防止するために必要な措置を講じることが、事業主の義務になります。
9月に入った今、「もう間に合わない」と諦める必要はありません。ただし、社内規程を作ることだけを急いでも、現場で使える対策にはなりません。
大切なのは、限られた30日間で優先順位をつけ、従業員が困ったときに会社として動ける土台を作ることです。
今回は、取引先、発注者、元請会社、施主などとの関係から、担当者が問題を抱え込みやすい製造業・建設業を中心に、9月中に進めたい対策を4つの段階に分けてお伝えします。
内容は、ほかの業種の企業にも共通して活用できます。
カスタマーハラスメント対策義務化の概要については、次の記事で詳しく解説しています。


製造業・建設業で、今すぐカスハラ対策が必要な理由

カスハラは、店舗やコールセンターだけで起こる問題ではありません。
製造業では、納期、品質、不具合、価格などをめぐり、取引先から契約外の無償対応や無理な納期を求められることがあります。
建設業では、元請会社や発注者、施主、近隣住民など、多くの関係者と接します。現実的に難しい工期短縮を求められたり、人前で長時間叱責されたりすることもあるでしょう。
それでも担当者は、「大切な取引先だから」「今後の仕事に影響するかもしれない」と考え、我慢してしまいますよね。
しかし、担当者の我慢に頼る対応では、従業員を守れません。対応する人によって判断が変わり、会社としての対応も遅れてしまいます。
厚生労働省の指針では、会社方針の明確化と周知、相談体制の整備、発生後の迅速かつ適切な対応、悪質な行為への対処方針などが求められています。
30日ですべてを完成させるのは難しくても、まず機能する土台を作り、運用しながら改善していくことはできます。


カスハラ対策を30日間で進める製造業・建設業の実行プラン

1〜7日目|カスハラ対策の責任者と交代基準を決める

最初の1週間で決めたいのは、「誰が判断するのか」です。
担当者が一人で対応を続けないよう、次の3点を明確にしましょう。

  • カスハラ対策の責任者
  • 緊急時の連絡先
  • 担当者から上司へ交代する基準

例えば、暴言や人格否定があった、同じ要求が繰り返された、身の危険を感じた。このような場面では上司へ交代する、と具体的に決めます。
製造業なら営業担当者から営業責任者へ、建設業なら現場担当者から現場責任者や本社担当者へ引き継ぐ流れを決めておきましょう。
「困ったら相談してください」だけでは、担当者は相談のタイミングを判断できません。誰に、どの段階で引き継ぐのかを決めておくことが、最初の一歩です。


8〜14日目|会社の基本方針を言葉にする

カスハラ対策の基本となるのが、会社としての方針です。
次に、「会社は従業員をどのように守るのか」を文章にします。
基本方針には、次の考え方を入れるとよいでしょう。

  • 正当な意見や要望には誠実に対応する
  • 社会通念上許容される範囲を超えた言動は容認しない
  • カスハラを受けた従業員を会社として守る
  • 相談したことを理由に不利益な取扱いをしない

ここで大切なのは、「お客様の苦情を受け付けない」という方針にしないことです。
苦情のすべてがカスハラではありません。正当なクレームと、暴言・脅迫・長時間拘束・過大な要求などを区別し、適切に対応する姿勢を示しましょう。


15〜21日目|カスハラ対策の相談・報告ルートを整える

相談窓口の名前だけ決めても、実際には機能しないことがあります。
「担当者→直属の上司→総務・人事→経営者」のように、報告の流れを一本につなげてください。
工場や営業所、建設現場から本社へ報告する方法も決めておくと安心です。
相談を受けた後に、誰が事実を確認するのか、誰が顧客や取引先への対応を判断するのかも明確にします。
また、電話を上司に代わって終わりではありません。休憩時間の確保や体調確認など、被害を受けた社員へのフォローも相談ルートに含めましょう。


22〜30日目|対応終了基準と記録様式を作り、試してみる

カスハラ対策を現場で機能させるには、対応を終了する基準と記録方法が欠かせません。
最後の段階では、「どこまで対応し、どの時点で終了するのか」を決めます。
暴言をやめるよう説明する、改善されなければ警告する、それでも続く場合は対応を終了する。
このように基本的な手順を整理しておくと、担当者は会社のルールに沿って行動できます。
あわせて、記録様式も作りましょう。
日時、相手の氏名、要求内容、実際の発言、対応経過、同席者、社員の心身の状況などを残せる、簡単な様式で構いません。電話、メール、取引先への訪問、建設現場など、発生した場所や手段も記録します。
ポイントは、「カスハラだと思った」という感想だけでなく、相手が何を言い、何を求めたのかを、できる限り具体的に記録することです。
過去の事例を一つ使い、作ったルールで対応できるかを管理職同士で確認してください。試すことで、現場が迷う点が見えてきます。


30日後のカスハラ対策|研修と運用確認へ

30日間で目指すのは、完璧な規程の完成ではありません。

  • 会社の基本方針がある
  • 相談先と報告ルートが分かる
  • 上司へ交代する基準がある
  • 対応を終了する基準がある
  • 事実を残す記録様式がある

まず、この状態を作ることです。
その後は、60日以内を目安に管理職・社員研修やロールプレイを行い、90日以内を目安に実際の相談事例を検証して、判断基準や対応フローを見直していきます。
ルールは、作っただけでは従業員を守れません。現場で使い、迷った点を修正することで、初めて会社の仕組みになります。


まとめ|製造業・建設業のカスハラ対策を30日で動かす

カスハラ対策は、担当者個人の判断や我慢に任せるものではありません。
カスハラ対策の義務化が目前に迫ると、焦りを感じますよね。
しかし、何から始めるかが整理できれば、9月中にも基本的な土台は作れます。
まず責任者と交代基準を決め、会社方針、相談ルート、対応終了基準、記録様式へと進めていきましょう。
大切なのは、担当者に我慢させず、会社として判断し、対応することです。


カスハラ対策を何から始めればよいか迷っていませんか

「自社の場合、どの基準にすればよいか分からない」

「工場や建設現場を含めた報告ルートを整えたい」

「30日間で優先すべきことを整理したい」

このようなお悩みを抱えている企業様には、無料相談をご用意しています。
無料相談では、一般的な制度説明だけでなく、御社の業種、従業員数、現在の体制、過去に起きた事例などを伺いながら、優先して整えるべき対策を整理します。
必要に応じて、会社方針や対応手順の作成、管理職・社員研修、3か月・6か月のコンサルティングについてもご提案します。
まずは、「現在の対策で足りない部分を確認したい」という段階でも構いません。
義務化の日を迎えてから慌てるのではなく、今日から一つずつ準備を始めてみませんか。

 

カスタマーハラスメント対策について相談する

参考資料